【注文住宅の費用】知らないと予算オーバーも?後悔しないための総額内訳と見落としがちな費用リスト完全ガイド
「理想のマイホームを建てたい!」
夢が膨らむ一方で、家づくりにはお金の不安がつきものですよね。 情報収集を始めると、次から次へと疑問が湧いてきませんか?
- 注文住宅って、結局総額でいくらかかるんだろう?全体像が全くイメージできない…。
- よく聞く「坪単価」や「建物本体価格」だけで考えたらダメなの?他にどんな費用が必要…?
- 「諸費用」って言葉は聞くけど、具体的に何にいくら払うのか、さっぱり分からない。
- 友人から「気づいたら予算オーバーになってた」なんて話も聞いて、なんだかすごく不安…。
家づくりは、人生で一番高い買い物と言われることも多い、一大イベントです。
だからこそ、お金のことで後悔だけはしたくないですよね。

「家づくり、いよいよ始まるね!でも、正直なところお金のことが一番心配だよ。僕たち、ちゃんとやっていけるかな?」

「私もそう思う…。素敵なお家のことを考えるのはすごく楽しいけど、いったい全部でいくらかかるのか、ちゃんと知らないと計画も立てられないもんね。後から『これも必要でした』って言われたらどうしよう…。」
ご安心ください。その不安、とってもよく分かります。 家づくりを始める前は、誰しもが同じような不安を抱えているものです。
でも、事前にどんな費用がかかるのかをしっかり把握しておけば、その不安は解消できます。 この記事を読めば、注文住宅にかかる費用の全体像が分かり、安心して家づくりを進められるようになりますよ。
先に結論をお伝えしますね。
- 注文住宅の費用は「坪単価」や「建物本体価格」だけで考えると、予算オーバーの大きな原因になる。
- 後悔しない秘訣は「建物本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」「土地取得費」をすべて含めた「総額」で予算を考えること。
- この記事では、見落としがちな外構などの「付帯工事費」や、現金準備も必要な「諸費用」の内訳まで詳しく解説。
- 事前に費用の全体像を把握し、お金の不安を解消して家づくりを楽しみましょう。
この記事では、実際に一条工務店で家を建てた私が、注文住宅にかかる費用を一つひとつ、できるだけ分かりやすく丁寧に解説していきます。
はじめに|注文住宅の費用は「建物本体価格」だけではない?

住宅展示場を訪れたり、ハウスメーカーの広告を見たりすると、「坪単価〇〇万円!」といった魅力的な言葉が目に飛び込んできます。
これを見ると、つい「この坪単価 × 建てたい家の坪数」が、家づくりの総額だと考えてしまうかもしれません。
しかし、多くの場合これは家づくりの費用の一部でしかないのです。 実際に家を建てて、快適に住み始めるまでには、本当にたくさんの費用がかかります。
まずは焦らず、その全体像を掴むところから始めていきましょう。
1|まずはここから!注文住宅にかかる費用の全体像と予算の考え方

注文住宅にかかる費用は、大きく分けると以下の4つのグループで構成されていると言われています。
- 土地取得費 土地を持っていない方が、土地を購入するためにかかる費用全般です。
- 建物本体工事費 家そのものを建てるための費用で、家づくりの中心となる部分です。
- 付帯工事費 建物本体以外の、生活に必要なインフラや家の外回りに関する工事費用です。
- 諸費用 税金や住宅ローンの手数料など、工事以外で必要になる様々な費用です。
一般的に、総費用に占める割合は、土地取得費が25〜35%、建物本体工事費と付帯工事費を合わせて60〜70%、諸費用が5〜10%程度が目安と言われることもあります。
まずはこの4つの分類を頭に入れておくだけでも、営業さんとの打ち合わせで出てくる費用の話が理解しやすくなります。 お金の計画がぐっと立てやすくなりますよ。

「なるほど、家の値段だけじゃなくて、土地と、その他の工事と、手続きのお金が必要ってことか。4つの箱をイメージすると分かりやすいね。」

「本当だね。駐車場とかお庭のお金もかかるし、税金とかもあるもんね。全部をひっくるめた『総額』で考えないと、後で絶対に慌てることになるね。」
2|【土地購入から始める方向け】注文住宅の土地取得に関する費用

すでに建築用の土地をお持ちの方は、ここは読み飛ばして大丈夫です。
土地探しから家づくりを始める場合、土地そのものの価格以外にも、購入に関連する様々な費用がかかってきます。
- 土地代金 その名の通り、土地そのものの価格です。最も大きな金額になります。
- 仲介手数料 希望に合う土地探しをサポートしてくれた不動産会社に、成功報酬として支払う手数料です。
- 印紙税・登録免許税 土地の売買契約書に貼る印紙の代金や、その土地が自分のものであることを法的に記録(登記)するための税金です。
- 不動産取得税 土地や建物を取得した際に、一度だけかかる都道府県の税金です。

「うーん、やっぱり土地の値段以外にも、色々とかかるんだなぁ。仲介手数料とかも、結構な金額になりそうだ。」

「不動産取得税みたいに、後から請求が来るものもあるのね。こういうお金をちゃんと予算に組み込んでおかないと、後で『え、こんなはずが…』って焦っちゃいそう。」
3|家づくりの中心!「建物本体工事費用」には何が含まれる?

建物本体工事費は、家そのものを建てるための費用です。 家づくり全体の費用の中でも、最も大きな割合を占める中心的な部分になります。
ハウスメーカーがよく使う「坪単価」という言葉は、一般的にこの建物本体工事費を指していることが多いようです。
具体的には、以下のようなたくさんの工事の費用が含まれています。
- 仮設工事費 工事用の足場や仮設の電気・水道、現場の職人さんが使う仮設トイレなど、工事を始めるための準備にかかる費用です。
- 基礎工事費 お家の土台となる、鉄筋コンクリートの基礎を造るための大切な工事費用です。
- 木工事(躯体)費 柱や梁、屋根など、お家の骨組みを造る工事です。上棟式などでは、この骨組みが組み上がった状態を見ることができます。
- 屋根・外壁工事費 屋根材を葺いたり、サイディングなどの外壁を貼ったりする工事です。家の外観の印象を決めます。
- 内装・建具工事費 壁紙(クロス)を貼ったり、床のフローリングを敷いたり、室内のドアを取り付けたりする費用です。
- 設備工事費 システムキッチンやお風呂、トイレといった水回りの設備はもちろん、給湯器なども含まれます。
- 電気・給排水工事費 コンセントや照明の配線、水道管・排水管の工事など、生活に欠かせないライフラインの工事費用です。
- 設計料 家のプランニングや詳細な設計図面の作成、工事が図面通りに進んでいるかを確認する作業(工事監理)に対する費用です。

「こうやって一つひとつ見ると、本当にたくさんの専門的な工事があって、僕たちの家ってできあがるんだね。感慨深いなぁ。」

「そうだね。私たちが普段『家の値段』ってざっくり思っているのは、この部分のことなんだろうね。でも、これだけじゃないってことがよく分かったよ。」
4|見落とすと予算オーバーの原因に?「付帯工事費用」の詳細リスト

「付帯工事費」は、建物本体以外で、快適に暮らすために必要となる工事費用です。
この項目は、土地の状況や、どんな暮らしをしたいかによって金額が大きく変動します。 そのため、当初の資金計画で見落としやすく、予算オーバーの大きな原因になりがちなので、特に注意が必要です。
- 地盤改良・造成・解体工事費 地盤調査の結果、地盤が弱いと判断された場合の補強工事や、土地に高低差がある場合の整地工事、建て替えの際の古い家の解体費用などです。
- 屋外ガス・給排水工事費 道路の下に埋まっている公共の水道管やガス管を、家の建つ敷地内に引き込むための工事費用です。
- 外構(エクステリア)工事費 駐車場や門、フェンス、お庭、玄関までのアプローチなどを整備する費用です。カーポートの設置や、ウッドデッキなどもここに含まれます。
- 空調・アンテナ・カーテン工事費 エアコンの購入・設置費用やテレビアンテナの設置、全ての窓に取り付けるカーテンやブラインドの購入・設置費用です。

「駐車場やお庭って、やっぱり家の値段とは別でしっかり考えないといけないんだね!こだわり始めると、結構お金がかかりそうな部分だもんね。」

「うん、それに地盤改良が必要になったら、場合によっては100万円以上かかることもあるみたいだ。何があるか分からないから、ある程度の予備費も計画に入れておいた方が良さそうだね。」
5|現金準備も必要?意外とかかる「諸費用」を徹底チェック

諸費用は、建物の工事以外にかかる、手続きや税金、保険などの費用の総称です。
見落としがちな小さな費用も多いですが、積み重なると大きな金額になります。 また、住宅ローンに含めることができず、現金での支払いが必要になるケースも多いため、あらかじめリストアップして準備しておくことがとても大切になります。
5-1|住宅ローンを組むための費用
住宅ローンを借りる際には、金融機関に支払う手数料などが必要になります。
- 融資手数料:金融機関に支払う事務手数料のことです。
- ローン保証料:万が一返済できなくなった場合に備えて、保証会社に支払う保証料です。
- 印紙税:住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)に貼る印紙代です。
- 火災・地震保険料:大切なマイホームを災害から守るための保険料。住宅ローンを組む際に加入が必須なことが多いです。
5-2|税金や登記関連でかかる費用
家を建てると、様々な税金や、その家や土地が誰のものであるかを法的に記録する手続き(登記)が必要になります。
- 登録免許税・建物表示登記費用:建てた家が誰のものかなどを法務局に登録するための費用です。
- 司法書士・土地家屋調査士報酬:複雑な登記などの手続きを、専門家である司法書士や土地家屋調査士にお願いするための報酬です。
- 建築確認申請費用:これから建てる家が、建築基準法などの法律に適合しているかを行政に確認してもらうための申請費用です。
5-3|入居や生活準備にまつわる費用
工事以外にも、新生活をスムーズにスタートさせるためには色々な準備が必要です。
- 地鎮祭・上棟式費用:工事の安全を祈願する儀式を行う場合に必要です。神主さんへの謝礼などが含まれます。
- 引っ越し費用:現在の住まいから新居へ荷物を運ぶための費用です。時期や荷物量で金額が変わります。
- 家具・家電購入費用:新しいお家に合わせて新調する家具や家電の費用です。ソファやダイニングテーブル、冷蔵庫など、大きな出費になることもあります。
- 仮住まい費用:建て替えの場合に、工事期間中に住むアパートなどの家賃や、2回分の引っ越し費用です。

「うわー!本当にたくさんあるね!しかも現金で払うものが多いなんて…。ちゃんと計画しておかないと、いざという時に足りなくなりそう!」

「そうだね。家の頭金だけじゃなくて、『諸費用貧乏』にならないように、こういう細かな費用もしっかりリストアップして、計画的に貯めていかないとね。」
6|まとめ|賢い資金計画で理想の注文住宅を手に入れよう!

今回は、注文住宅にかかる費用の内訳について、かなり細かく解説してきました。
たくさんの項目があって、「こんなにあるの!?」と少し不安に思われたかもしれません。 でも、事前にどんな費用が必要になるのかを知っておくことこそが、後悔しない家づくりの何よりの秘訣なのです。
「土地取得費」「建物本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」。
この4つの費用をすべて含んだ「総額」を意識して、資金計画を立ててみてください。
家づくりは、夫婦でたくさん話し合って、一つひとつ決めていく、とても素敵な共同作業だと思います。 お金のこともオープンに話し合って、賢い資金計画を立てていきましょう。
そうすれば、きっと予算の不安なく、心から家づくりを楽しむことができるはずです。 この記事が、あなたの理想のマイホームづくりの一助となれば、心から嬉しく思います。

